忍者ブログ

気持ち文字

違いがわかる男の...

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

コメント

ただいまコメントを受けつけておりません。

違いがわかる男の...

古本屋をめぐっていると『美味求真』なる本と出合った。
赤い函(はこ)に収められた立派な装丁で、著者は木下謙次郎氏。
貴族院議員や衆議院議員をつとめた人物で、
この本には、調理法は勿論のこと、
魚の旬の捉え方や日本各地の郷土料理などが書かれている。
ちょっと面白いのは、そんな美食にとどまらず、
昆虫食や人肉食についても書かれていた。
政治家で美食家と言えば、フランスのブリア・サヴァランの名がすぐに挙がる。
1825年に彼が著した『美味礼賛』が有名。
いまでもフランス料理の真髄として知られている。
そのサヴァランに遡ること32年。
中国・清の時代の官僚だった袁 枚(えん ばい) もそれに匹敵する人物。
彼が著した食に関する本に『随園食単』というのがある。
中華料理に関する正典のような存在康泰旅行團
著した時は、すでに官僚ではなく、南京の西にある廃園を手に入れ、
そこを『随園』と名付け、気侭な隠遁生活をして過ごしたようだ。
様々な調理法やその理論などがその本に書かれている。
この本は、まず序文があり、続いて「予備知識」「警戒事項」があり、
そのあと、様々な料理法へとつながっている。
「予備知識」の中では、「取り合わせを知ること」などが出てくるが、
興味深いのは、「警戒事項」。
その中の幾つかの項目を挙げてみると、
まず、「目食を戒む」とある。
目をもって食べるな、という意味だが、
量や品数、良く知られている名の料理など目で魅かれてはいけない米蘭旅遊
「穿鑿(せんさく)を戒む」とある。
字は難しいが、余計な小細工をするな、ということ。
「材料の浪費を戒む」は、読んで字のごとし、ムダは慎むこと能恩
また、
「耳餐(じさん)を戒む」とある。その如く読むと、
「耳で食べさせるな」という事になるが、言わんとするところは、
耳打ちするように「これは、◯◯産の△△」などと言ったりするが、
そんなものに惑わされずに
味の本質をつかむようにせよ、ということらしい。
いつも、このような姿勢で料理に向かっていれば、
昨今、話題となっている食品偽装は、起こりようもないことかもしれない。
PR

コメント

プロフィール

HN:
No Name Ninja
性別:
非公開

P R